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2012年09月14日

鉄分を摂取する旅ー②

この黒い大きな鉄の塊。
この旅の「鉄分を摂取する」という
目的にピッタリな蒸気機関車だ。
ちなみに私が乗るやつは
「C56形44号機」という型式である。
鉄分を摂取する旅ー②
これまた、この蒸気機関車も古いやつなのだ。
昭和11年に製造され、札幌・千歳線で
使用されていのだが、太平洋戦争開戦と同時に
戦時輸送のためタイへ送られてしまう。
長い間、異国の空気を吸った蒸気機関車は
昭和54年に帰国。そしてこの大井川鐵道に
入線したそうだ。

そのほかにも大井川鐵道にはC11形190号機、C10形8号機、
C11形227号機があり、それぞれに深い歴史が刻まれた車両がある。


始発駅の新金谷駅は木造で白いペンキが
はがれかけた古い駅だ。

おや?このレトロな駅に場違い的な
おしゃれなコーヒー屋があるぞ。

鉄分を摂取する旅ー②
古い鉄道におしゃれなコーヒー。
なんだか違和感を感じるが買ってみる。
上手い。「美味い」ではなく「上手い」である。
そう、ミルクで表現された煙は、まさに芸術品だ。
その手のコーヒーはさぞかし
高いだろうとびくびくしたが、400円であった。
ワンコインでおつりがくる。
良心的なコーヒーなのだ。もちろん味も「美味い」。


コーヒーを飲みながら、ホームをうろうろしていると、
燃料を入れている場に遭遇。
鉄分を摂取する旅ー②
汗だくになりながら、炎の中に燃料を入れていく。

ちなみに、燃料は高質炭を使っており昔のような
黒いモクモクとした煙はでないそうだ。

車内は窓が全開で、頭上には扇風機が回っている。
鉄分を摂取する旅ー②
うかつに手すりなどの触ろうものなら、
手が真っ黒になってしまうのではないか、
と思うほどに、ほこりっぽいというか
ススっぽい。「まっくろくろすけ出ておいで~」と
思わず歌いだしてしまいそうだ。

さて、いよいよ発車である。

子どもの如く興奮気味の私は
車窓から写真を撮ろうと
顔をぬぅっと出したとたん、
車内放送で「窓から顔は出さないように~」と
やわらかい口調で声が流れてきた。

大井川鐵道で有名なおばさんの車掌さんである。
歌をうたい、ハーモニカを吹き、なんとも愉快な
車掌さんであった。ちなみにおじさんもいるらしい。

さて終点まで、車窓からの景色を
堪能するとしよう。
のんびりと・・・

と呑気なことを言ってる場合でない。
蒸気機関車に乗ったからには
ある作業をしなくてはならないのだ。

それは窓を閉めるという作業。
トンネル手前になると「ポーっ」と汽笛が鳴り、
それが、窓を閉めて~という合図なのだ。
その作業を怠ると、車内はあっという間に煙まみれになり
ひどいときには、顔がススだらけになるのだ。

そんなこんなで、ゆっくり進む
蒸気機関車では眠ることはできない。
大井川鐵道のSLは特に。

なんせ、トンネルの数が14もあるのだから。


つづく。



過去の記事、「鉄分を摂取する旅ー①」はココ↓
http://kudaranai.ti-da.net/e3871078.html





Posted by アキナ。 at 19:53│Comments(0)
 
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